森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無邪気に振る舞う必要などない」
2024.12.06
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無邪気に振る舞う必要などない」
フランスの貴族、文学者のフランソワ・ド・ラ・ロシュフコー(ラ・ロシュフコー公爵フランソワ6世)は、「不自然な無邪気さは洗練された詐欺である」と述べています。
分かりやすく言えば、もう死語になってしまいましたが「かわい子ぶりっ子」などは、不自然な無邪気さの典型でしょう。自分をよりかわいらしく見せる演出に長けているだけで、ちょっとした隙に意外な素顔が垣間見られるものです。
本当の無邪気さというのは自然とにじみ出ます。子供が大好きなおもちゃやゲームソフトをプレゼントされた時にみせる笑顔のように、その喜び様には微塵の疑いの余地もないものです。
しかし、不自然な無邪気さは、「私は子供のように裏表(うらおもて)のない人間なんです」という演出がバレバレです。なぜなら口元は笑っていても目が笑っていないからです。
これを踏まえて私は、ロシュフコーの言う「洗練された」詐欺とは思えません。「下手な猿芝居」と言った方が適切だと思います。なぜなら周りのすべてにその魂胆が見破られている以上、洗練されているとは言い難いからです。
ロシュフコーが「洗練」という言葉をつかったのは、一見心根が綺麗に見えるためだと思います。しかし不自然であるため、そのメッキはあっという間に剝がれてしまうのです。
あえて無邪気に振る舞う必要などありません。ありのまま(普通)にしていれば「この人は見たままだ。本当に裏表(うらおもて)がない誠実な人だ」と自然に伝わることを強く認識してください。
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