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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「物事を極めるに近道も裏技もない」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「物事を極めるに近道も裏技もない」

2022.07.12

物事を極めるに近道も裏技もない
中国の古典『菜根譚』のなかの言葉に、「磨礪(まれい)は当(まさ)に百錬の金の如くすべし、急就(きゅうしゅう)は邃養(すいよう)にあらず」があります。自分を鍛え磨くことは、鉱石から金を抽出する製錬作業同様に時間をかけて行うもので、急ぎ足になれば物事の極意は身に付かないという意味です。

 今回は、この言葉についてちょっと面白いものと比較しながら解釈していきましょう。それは歌手の水前寺清子氏の大ヒット曲『三百六十五歩のマーチ』の歌詞です。まさに、人生という長いスパンで時間を掛けながら物事の極意に到達するまでの歩みを示しているからです。

 歌詞を書いてしまうと著作権侵害になってしまうので、内容はネットなどでご確認ください。それを踏まえたうえで、以下にその意味を示します。

「何の努力もしなければ、幸せにはなれません。だから努力をするのです。しかし努力をしても100%報われるわけではありませんが、努力を継続するから必ず一歩ずつ前進するのです。絶え間なく努力し、辛いことや悲しいことも背負って人生を歩んでいきましょう。そんな努力は足跡となって残ります。そこには必ず結果という花が咲くのです。そのためには、全身全霊で間断なく努力していきましょう」という意味です。

 歌詞の中で注目してほしい部分は、「一日一歩 三日で三歩 三歩進んで二歩下がる」です。前述の説明では、努力は100%報われなくとも、継続することで一歩ずつ前進しているという意味に該当しますが、思うように進捗しなくとも、あきらめずに努力を続けていれば、いつの間にか極みに達しているのです。

 あらゆる世界の名人上手と言われる人たちは、みなこうした歩みによって、余人を持って代えがたい技を身につけ認められています。改めて物事を極めるに近道も裏技もないことを肝に銘じておきましょう。

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