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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「現場での指示が名言に昇華」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「現場での指示が名言に昇華」

2022.07.21

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「現場での指示が名言に昇華」
 歴史上の偉人をはじめ、先人たちの臨終の言葉には名言がたくさんありますが、先人経営者の臨終の言葉として興味深いものを2つ挙げます。

1つはアメリカのレストランチェーンであるハーヴィーハウスを展開したフレッド・ハーヴィ氏の「(お客さまにお出しする)ハムはあまり薄く切らないでくれ」です。もう1つは、ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ創業者コンラッド・ヒルトン氏の「シャワー・カーテンはバスタブの内側に入れておくように」です。

 つまり、ハーヴィ氏もヒルトン氏も、死ぬ間際まで現場第一に徹し、お客さま目線を維持していたということです。経営者の臨終の言葉の多くは、家族や会社の将来に向けた指針や希望であることが一般的ですが、現場での一指示に過ぎない言葉を残すなどは、まさに経営者の鑑かもしれません。

 少し前に、松下電器産業(現パナソニック)創業者・松下幸之助氏の、「経営者は社員の人生すなわち命を預かる立場であるため、四六時中経営のことを考えている必要性がある」という考えをご案内しました。遊んでいる時でも仕事のことを考え、常に心のセンサーを稼働させておくのです。

 そうすれば、ハーヴィ氏やヒルトン氏のように、現場での一指示を臨終の言葉として残し、名言に昇華させることができるかもしれません。さしずめ防水業者の私なら、「トップコートは絶対に薄く塗らないでくれ」などと言って最期を迎えたいものです。そのためにより一層精進することを胸に刻んだ次第です

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