森羅万象から学ぶ人生羅針盤「現場を知ればより輝く」
2025.06.23
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「現場を知ればより輝く」
この『森羅万象から学ぶ人生羅針盤』の常連の1人である物理学者の寺田寅彦氏は、「顕微鏡で花の構造を子細に点検すれば、花の美しさが消滅するという考えは途方もない偏見である」と述べています。
名月を肉眼で眺めていると非常に風情があり、その美しさに安らぎを感じますが、天体望遠鏡で実際の月の表面を見ると、クレーターのデコボコばかりで、とても美しいとはいえない有様です。しかし寺田氏は、こうした考えを根本から否定しました。
そして、花の構造を子細に点検することで、「花の美しさはかえってそのために深められるばかりである」と述べています。その理由として、「花の植物生理的機能を学んで後にはじめて十分に咲く花の喜びと散る花の哀れを感じることもできるであろう」としています。
これはビジネスシーンにも大いに言えることです。よく我々が「あの会社の業績はすごい勢いで伸びている」などという言葉を耳にすると、最初にその会社のトップの顔を思い浮かべるでしょう。
しかしもし、現場で一生懸命に働いている社員の姿に触れる機会があれば、「この人たちの働きがあってこその業績の伸びなんだ」と、さらに驚嘆するはずです。企業トップが業績の上で華やかに見えるのは、こうした縁の下の力持ちがいてはじめて実現するからです。
寺田氏の言葉に当てはめれば、花の生理的機能は「現場で一生懸命に働いている社員の姿」であり、花の美しさは「企業トップが業績の上で華やかに見える姿」になります。
現場を知ることで、その会社の業績がより輝いて見えるものです。そして同時に、散る花の哀れとは、現場が機能不全に陥っていることでもあることを忘れないでください。
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