森羅万象から学ぶ人生羅針盤「目に見えない要素に期待する」

2023.06.10

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「目に見えない要素に期待する」
　デンマークの哲学者セーレン・キェルケゴールは、「決意は、人間の力・勇気・知恵ではない。それは宗教的な出発である」と述べています。宗教的な出発とは、言い換えれば信じることです。

　物事を決意する根拠となるものは、能力であったり、勇気であったり、知恵であったり、時には利益であるかもしれませんが、それでも迷いは常に付きまとうものです。

　自分にとっての向き不向きや、成功の確率などを含めて、色々な下調べをしたり、ベストタイミングを見計らったりして、スタートすることに足踏みしてしまうのは、成功の可能性についてどこまでいっても確信が持てないからです。

　それでも、最終的にやってみようという決意するのは、「神の見えざる手」や「善の循環」など、人知の及ばない要素に期待するからです。例えば、大病をして働けなくなったり、大地震が起きて財産が失われたり、取引先が倒産したりすることなどは、「そうなりませんように」と信じるしか方法はないのです。

　そうした信じる力を宗教的な力であるとしているのですが、ここで注意をしなければならないのは、決意は宗教「的」な出発であって、宗教の力によるものではないということです。宗教「的」な目に見えない要素に期待するのです。

　実際に成功者の多くはこの信じる力の強い人ばかりです。自分の能力や環境を正確に分析する能力に長けているだけでなく、「正しく努力していれば、物事はうまく機能する」と、目に見えない要素に期待し信じているからです。

　そんな姿を周囲が評価し、意識的に、時には無意識に協力してくれます。その「協力したい」という動機こそ、目に見えない人知の及ばない要素が味方してくれた証拠です。それを期待し信じて、大いなる決意を実行してください。