森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の説得力を生む」
2021.07.26
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の説得力を生む」
俗に、アメとムチという言葉があります。人を指導する際に用いられる言葉ですが、人心収攬術のようにも聞こえ、あまり上品な表現ではないと思います。しかし、このバランスは極めて重要なのです。
これに関連して、中国の歴史解説書『春秋左氏伝』に「寛猛相済う(かんもうあいすくう)」があります。
春秋時代の鄭の国の宰相であった子産の「寛をもって猛を済(すく)い、猛をもって寛を済う。政(まつりごと)ここをもって和す」という言葉が元になっており、政治というものは、寛容な部分と厳格な部分をうまく調和させて行わなければならないというものです。
また、子産は、極めて気持ちの大きな人物であり、批判や反対意見に対して、積極的に耳を傾けたと言われています。
これに関連して、同じく『春秋左氏伝』には、子産の「吾聞きてこれを薬とせんには如かざるなり」という言葉があり、批判や反対意見を薬として捉え、積極的に活用し、悪い政策を改めていったのです。
しかし、子産は物分かりが良いだけの人物かといえばそうではなく、絶対に必要であると確信した政策は、どんなに反対意見があっても必ず実行しました。この厳しさがある故に、宰相として高く評価されたのです。
一般に、寛容なだけだと人を取りまとめることは不可能です。必ず、甘えが生じるものです。だからといって、厳しい部分を無理やり押し付けてばかりでは、反感を買うだけです。
やはり、ここで重要なのが、寛容な部分も厳格な部分も、理解させ納得させることです。そうすることによって、真の説得力が生まれるのです。理解と納得が得られない指導をすれば、政治に限らず、あらゆる組織運営は失敗に終わります。そのことを肝に銘じ、「寛猛相済う」を実践しましょう。
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