森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の雄弁とは」
2021.01.26
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の雄弁とは」
老子の言葉に「大弁は訥なるが如し(たいべんはとつなるがごとし)」があります。説得力のある人は、余計なことを言わず、言葉少なに、一言一句をかみしめてしゃべるものだということです。
それは、しゃべることだけでなく、書くことにも表れます。
例えば、同じ企画書でも、結論が後回しになり、やたら長ったらしい説明が書かれているものは、説得力がないだけでなく、読む気にさせません。
まず、結論が書かれており、説明、補足、総括が続き、簡潔に終わる企画書が、評価されます。
以前、「簡潔にはっきりと伝える」として、内閣総理大臣であった田中角栄氏が、秘書や側近議員に、用件を便箋1枚まとめ、最初に結論を書くように指示し、理由は3つまでとしたエピソードを、ご案内いたしました。
田中氏は、本質や重要なことは、いつも簡潔に言い表せると確信していたのです。つまり、訥なることこそ、最良の表現法であるというわけです。
これに関連して、同じく内閣総理大臣であった大平正芳氏は、決して多弁ではなく、しかも、話の合間に「あー、うー」という言葉をはさむ癖がありました。
一見、聞きづらい話し方ではありましたが、あるテレビ番組で、その「あー、うー」の部分を取り去った大平氏の言葉を披露したところ、極めて論理性の高い演説であったことが証明されています。
また、説得力のある人は、言葉に加えて、必ず数字によって、物事の根拠を明らかにします。そして、物事の核心に迫ったときは、自信をもって言い切ってしまいますが、決して、自分の意見を押し付けるような言い方はしません。
内容も、ストーリー性に優れており、論理に一貫性があり、いろいろな話を混ぜないのです。つまり、話があっちこっちへ行かないのです。
真の雄弁とは、発する言葉の量ではないのです。無駄な言葉を省いて、いかに相手を納得させるかという力なのです。
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