森羅万象から学ぶ人生羅針盤「知識を生かす人間性を磨く」
2021.12.23
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「知識を生かす人間性を磨く」
『三国志』に登場する智将・諸葛孔明が、自分の息子・瞻(せん)に宛てた手紙の中に「澹泊(たんぱく)に非(あら)ざれば、以て志を明らかにすることなく、寧静(ねいせい)に非ざれば、以て遠きを致すことなし」と書き記しました。
何事も無欲で臨まなければ、真の志を立てることはできず、冷静に落ち着いて修業をしなければ、遥かなる目的を達成することはできないという意味です。
瞻は、親の目から見ても優秀であったようですが、孔明は逆にそれを心配しました。優秀であることを変に自覚して、良い成績を取ることばかりに夢中になり、百科事典的な知識を身に付けてしまっては、いずれ成長が止まってしまうことを恐れたのです。
そこで、孔明は前述の手紙において、自分の将来において、何が大事であるかをしっかりと見極め、長い目で見据えて努力しなさいと指導したのです。
これに関連して、以前、マスコミにもたびたび登場する某有名実業家の「少年時代に、柔道など、受験勉強以外の塾に通わされたことを、無駄に思う」という発言に対し、ある文芸評論家が「親は、自分の子供に対して、全人格的に成長してほしいと願って、勉強以外の習い事もさせるものだ。いい年をして、そんなこともわからないのは情けない」と批判したことをご案内しました。
もちろん、実用性の高い知識も大事ですが、それだけですべてが事足りると誤解することが恐ろしいのです。何よりも大事なのは、そうした様々な知識を生かすための豊かな人間性を磨き上げることなのです。
そんな豊かな人間性は、正しい志と、冷静な姿勢で臨む本質的な学びによってはじめて身に付けられることを忘れないでください。
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