森羅万象から学ぶ人生羅針盤「肩書の有効性を生かす」
2021.11.29
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「肩書の有効性を生かす」
前漢の政治家・劉向(りゅうきょう)が編纂した『戦国策』に「貧窮なれば則ち父母も子とせず、富貴なれば則ち親戚畏懼(いく)す」という故事があります。貧乏で何の甲斐性もなければ、実の両親にも相手にされませんが、地位や名誉ができれば、遠い親戚までも一目置いてくれるという意味です。
これは、中国の戦国時代の政治家である蘇秦が、不遇の時代に身内からバカにされ、その悔しさをバネにして一念発起し、努力の末、一廉(ひとかど)の人物になったときの、周囲の対応が元になっています。極めて世知辛い話ですが、これが現実なのでしょう。
これを踏まえて、地位や名誉を形にした肩書というものを考えてみたいと思います。人は、肩書の背景にある地位や名誉に頭を下げるからです。
以前、お医者さんへの治療費、弁護士への報酬、お坊さんへのお布施、有名文化人への講演料、茶道や華道の月謝などは、なぜか払う方がへりくだっていることをご案内しました。それは、もらう方に「先生」と呼ばれる地位・名誉があるため、「ぜひ、お金を受け取ってください」となるのです。
また、肩書は信用の証でもあります。例えば、一般の人が、法律や医学に関して正しい知識を有し、それを言葉にしたとしても、すべての人が、その言葉に対して信頼を置くかどうかは疑問です。しかし、まったく同じことを弁護士や医師が言った場合には、多くの人が耳を傾けるものです。
もちろん、何の実効性もない形だけの肩書もありますが、それでも、自分に力を持たせたければ、肩書の有効性を認め生かすことです。そして、自分を磨くことを決して忘れず、その肩書にふさわしい人格も身に付けてください。
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