森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自分を信じて歴史を生かす」
2022.06.29
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自分を信じて歴史を生かす」
日清紡績の元社長で同社の中興の祖とされ、日経連会長、名誉会長を務め、いわゆる「財界四天王」の一人と呼ばれた桜田武氏の言葉に「先人の踏(とう)を求めず、求めしものを求む」があります。
進歩を妨げる考え方の代表として、先例主義が挙げられます。その事柄に適した処理を考えることなく、過去の似たような事例にならって処理することで、先例重視の考え方なのです(デジタル大辞泉より抜粋・要約)。
最大の悪弊は、無責任主義が蔓延することです。何事も先例に則って行えば、仮にそのことが失敗しても、「前の通りに粛々と実行しただけで、余計なことを一切していないので自分には責任はない」という言い訳に使えるからです。
しかし、こんな姿勢で正しい彰往考来(しょうおうこうらい)が実現できるでしょうか。「過去をあきらかにして未来を考える」のが彰往考来ですが、過去のやり方をそのままコピーして実行することではありません。
少し前にもご案内した通り、歴史の当事者や環境、条件に大きな違いがあることを踏まえて現在の状況を分析しなければ、正しい答えを得ることはできません。貴重な歴史的データを現在の状況に適切に当てはめれば、むしろ以前とは違った答え、選択肢が生み出されるのが普通なのです。
そこで大事なのが、自分を信じて決断する勇気です。以前とは違う答えや選択肢が生み出されても不安に駆られることなく、先人がつけた足跡に惑われずに自分が正しいと思う信念に従い「求めしものを求む」のです。そうして、自分を信じ歴史を生かせば、正しい彰往考来が実現できると心得てください。
社長ブログ新着記事
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「中小企業社員の自分力」
-
先人の知恵と現代の生き方
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の成績優秀者とは」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「努力して得た物にのみ価値がある」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「睡眠不足を甘く見ない」