森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自分自身と向き合う」
2021.08.02
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自分自身と向き合う」
人間は、誰しも自分を認めてほしいという気持ちが無意識に働いてしまうため、調子に乗ったり、目立とうとしたり、自慢話をしたりしてしまうものです。そして、そのような自分が、他人の目にどう映っているか分からなくなるのです。
これに関連して、以前、「自分のことは自分が一番知らない」とも言われていることについて、中国の故事「夜郎自大(やろうじだい)」や、うぬぼれ、メタ認知などについてご案内しました。確かに、本当の自分の姿が見えなくなってしまうことが多々あります。
それでも、自分自身を誰よりも理解できるのは、やはり自分自身しかいないのです。人間には、他人には明かせないような内面があります。それを知っているのは、自分自身だけなのです。そして、それをすべてさらけ出し、冷静に客観的に見つめ、自分に理解させられるのも自分自身です。
文豪・谷崎潤一郎氏の詠んだ歌に「我という人の心はただひとり、われより外に知る人はなし」があります。
この歌のとおり、自分の心は自分自身しか知ることができません。だから、自分が理解されない、自分の考えのすべてが相手に伝わらないのは当然で、それを嘆いたり、無理やり自分を認めさせたりする必要はないのです。
それに、必要以上に自分を理解してもらおうとすればするほど、他人から不評を買うものです。例えば、自分の話ばかりをしても、相手には100%理解できないため、コミュニケーションが一方的になるだけであって、場合によっては、不快感を与えるからです。
まずは、自分自身への理解を深めましょう。自分を正しく理解できれば、他人への必要以上の期待が薄れ、極めて安定した心を手に入れることができます。特に、自分自身しか知らない内面と向き合うことが大事です。ぜひ、実践してください。
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