森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自律的組織の完成とは」
2025.05.24
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自律的組織の完成とは」
中国の古典『十八史略』に「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」という言葉があります。その意味するところは、民が平和で安定した生活を送っている様子なのです。
中国古代の聖天子・堯が、お忍びで市中に出て、天下が何事もなく治まっているかどうかを確認したのです。そこで1人の老人に出会います。
その老人は満腹になって腹鼓(はらつづみ)を打ち、足踏みして拍子をとっていました。鼓腹撃壌とは、この老人の幸せそうな様子を表した言葉なのです。
そして老人曰く、「夜明けと共に働き、日が暮れて日々の色々な考えをめぐらす。水が必要なら井戸を掘って飲み、田畑を耕して食物を食べる。こんな平和な日常を送っているのだから、帝の力など何の関係もない」と言っていたのです。
それを聞いて堯は「ああ。世の中がうまく治まり平和そのものだ」とにっこりと微笑み、自分の政治的成果が正しかったと確信したのです。
これを会社に置き換えれば、企業トップが不在でも、組織の構成員全員が自律的に活動し当然のように成果を上げている様子に酷似しています。
そして1人の社員が、「社長なんかいなくても、この会社は俺たちでやっていけるんじゃない?」と陰口をたたけば、まさに自律的組織の完成と言って良いでしょう。もちろんその陰口に腹を立てることなく笑顔で聞き流してください(笑)。
自律的組織の完成ほど企業トップが望むものはありません。トップが「見えない力」で会社組織を統治し、部下たちが命令されることなく成果を上げてこそ、理想の企業像だからです。しかしその「見えない力」の実現が困難を極めるのは言うまでもないことです。
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