森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自由には覚悟が必要」
2021.04.08
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自由には覚悟が必要」
我が国でレコード売上枚数が最も多いシングル盤として知られている『およげ!たいやきくん』の歌詞の意味は、自由を求めてとびだした若者が、厳しい現実世界に直面して挫折してしまうというもので、ちょっと切ない内容です。
若者が自由に憧れる気持ちはよくわかりますが、経済的な面をはじめ、厳しい現実が待っているのです。
例えば、お金がなければ、アパートを借りることすらできません。そして、そのアパートも、オーナーの所有物なので、あくまでルールに則った形でしか住めないのです。
これに関連して、作家・芥川龍之介の言葉に、「自由は山巓(さんてん)の空気に似ている。どちらも弱い者にはたえることはできない」があります(随筆・警句集『侏儒の言葉』より)。
山巓とは、山の頂上のことです。そこは、眺望は抜群なのですが、空気が薄く、体力のないものにとっては、居心地の悪いところなのです。
そして、山巓の空気の薄さは、自由にともなう不安と解釈すると、分かりやすいかもしれません。
自由は、確かに素晴らしいものですが、何もかも自己責任で賄っていかなければならないため、なんの保証もないという大きな不安がのしかかってきます。
例えて言うなら、家猫でいるか、野良猫になるかということでしょう。
家猫には、自由が制限される代わりに、きちんと餌がもらえます。しかし、野良猫は自由ですが、今日のメシ、寝床を自分で探さなければ、野垂れ死にしてしまうのです。
自由とは、まさにそういうものです。何ものにも縛られない解放感はありますが、頼れるのは自分だけなのです。
自由であることの素晴らしさは大いに認めます。しかし、自由を獲得し、自由に生きていくには、それなりの覚悟と、具体的な方策をもって臨まなくてはならないことを、肝に銘じておくべきでしょう。
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