森羅万象から学ぶ人生羅針盤「舌長でなく耳長であれ」
2022.07.14
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「舌長でなく耳長であれ」
言葉が不十分であるため真意が伝わらない様子を「舌足らず」といいますが、逆に言葉が多すぎて、そのネガティブな部分ばかりがエスカレートしてしまい、あちこちに悪い影響をもたらすことを「舌長(したなが)」といいます。
舌長になりがちな人は、話が長いために誤解されやすいのです。特に、自分の話ばかりしていると、「他人に関心がないのではないか」とも思われることがあります。また、例え褒め言葉でも過剰に言えば、人によっては皮肉や嫌味にしか聞こえないかもしれません。
やはり、ビジネスの世界の基本は、舌長ではなく耳長(みみなが)であるべきです。耳長とは、私が便宜上作った熟語で、話すことに使うエネルギーを、人の話を細大漏らさずに聞き取ることに使うべきであるという意味です。
耳長でなければならない最大の理由は、話すエネルギーよりも聞くエネルギーのほうが何十倍もかかるからです。話す方は、理解している内容を放出するだけですが、聞く方にはそれを理解する負担を掛けることになります。当然、そんな辛さを相手に味わわせることなく、自分で率先して背負うべきです。
そして、不用意に言葉を発せず、聴くことに徹すれば、相手はどんどん話してくれ、情報を提供してくれるものです。それを分析し、的確な合いの手を入れたり、質問したりすることで、情報だけでなく価値観の共有が実現します。それがビジネスの裾野を広げる第一歩であることを強く認識しましょう。
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