森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言い方一つで正反対になる」
2023.06.13
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言い方一つで正反対になる」
松下電器産業(現パナソニック)創業者・松下幸之助は、部下を鼓舞するとき必ず「君ならやれる」と言っていました。「自分にはできないけれど君ならやれる。だから頼むんだ」として、担当者のやる気に火を付けたのです。
ここで気付いてほしいのは、「君なら」という良い意味での“特別扱い”です。これは実力を正確に評価しているだけでなく、相手の自尊心をくすぐる魔法の言葉なのです。間違っても「君でも」なんて言おうものなら、逆にけなしているに過ぎず、モチベーションが一気に下がります。
洋服を買いに行くと、いかにも「売らんかな」という態度丸出しの店員は、間違いなく“でも派”です。「何をお召しになってもお似合いになりますね」というあからさまなお世辞を言うのです。しかし冷静に考えれば、例え大スターであっても「何を着ても似合う人」などこの世に滅多に存在しません。
しかし、心ある店員は“なら派”で、「これならお似合いになります」という言葉を使います。「これなら」に「あなただけのために一生懸命選んだ」という真摯さが込められているからです。それは冷静に客観的にお客さまを分析して、その良さや個性を引き立たせる最良のコーディネートをお薦めしている証拠なのです。
まさに「なら」と「でも」は正反対です。「でも」を平気で口にして人の心を動かせると思っているのであれば、それは傲慢以外の何物でもありません。少しでも謙虚な気持ちと相手への敬意があれば、間違っても相手を見下した「でも」は使わないものです。まさに、言い方一つで正反対の効果をもたらすことを肝に銘じておきましょう。
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