森羅万象から学ぶ人生羅針盤「道具は使いこなすもの」
2024.06.17
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「道具は使いこなすもの」
アメリカの作家ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、「人間は自ら作り出した道具の道具になってしまった」と述べています。まさしくAIへの過度の信頼や、ネットに流されている情報に振り回さている姿そのものと言えましょう。
しかしソローは19世紀に活躍した人物で、決して現在の状況を踏まえて発言したことではありません。物事が便利になるのは結構ですが、それは道具として使いこなしてこそ意味があり、決して使われるものではないのです。
ソローが指摘したのは、おそらく産業革命がもたらした変化への危惧でしょう。ちなみに産業革命とは、18世紀半ばから19世紀にかけて起こった一連の産業の変革と石炭利用によるエネルギー革命、それにともなう社会構造の変革のことを指します(ウィキペディア〈Wikipedia〉より抜粋・要約)。
そこではイギリスの毛織物工業をはじめ、各種産業で機械化・システム化が図られ、生産システムもそれまでの家内制手工業から工場制手工業(マニュファクチュア)に代わっていったのです(同)。
確かに、物の生産性は向上しましたが、「まず機械化ありき」という発想が生まれたのも確かです。これを現在の状況に置き換えるならは、「何でもAIありき」で、AIが出す答えを無条件に信じることで、多くの人は自分で考えることを止めてしまうことが非常に怖いのです。
そうなると、考える力の無い人間が増産され、一部の「自分で考える力を持つ人」に支配される世の中が生まれます。まずは、道具は使いこなすものであることを一時も忘れないように心掛けてください。
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