森羅万象から学ぶ人生羅針盤「違う価値観と共存する賢さ」
2022.11.03
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「違う価値観と共存する賢さ」
世界史を紐解くと、宗教問題が原因で戦争に発展したケースは多々あります。その理由は、自分たちが信じている神様だけが正しいという確固たる信仰心の裏にある、他の宗教は邪教として排斥する精神が働くためです。
それに対して日本では、江戸時代初期の切支丹(きりしたん)弾圧以外には、そうした紛争はあまり起きませんでした。なぜなら仏教でも日本神道も様々な神仏が信仰の対象であり、絶対的な存在がいないからです。自然現象を崇拝して神格化したいわゆる自然神まで入れると、信仰の対象は数え切れないものになります。
そうなると、「この考えが絶対に正しく他は間違っている」という発想は生まれにくく、逆に、「そういう考え方もある」という多様性を受け入れる寛容な精神が育まれるのです。
その代表が、神仏習合という考えです。これは神仏混淆(こんこう)とも言われ、日本固有の神の信仰と外来の仏教信仰とを融合・調和するために唱えられた教説です。奈良時代に、神社に付属して神宮寺が建てられ、明治政府の神仏分離政策まで人々の間に広く浸透したのです(デジタル大辞泉より抜粋・要約)。
こうした土壌が、物事のいわゆる「グレーゾーン」に対しても、あえて白黒はっきりつけることなく、とりあえず受け入れて、それを現実に即して活用する知恵を生み出すのです。
そもそも他人は、自分とは違う価値観を持っていて当たり前なのです。それをすり合わせて共存していくことが、真の賢さなのです。そして、その賢さが、間違いなく社会を前進させていくことを強く認識してください。
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