森羅万象から学ぶ人生羅針盤「適正な数の荷物を持つ」
2021.05.29
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「適正な数の荷物を持つ」
中国の古典『菜根譚』のなかの言葉に、「人生、一分を減省せば、すなわち一分を超脱す」があります。物事を減らすことを考えれば、その分、いろいろな悩みから解放されることを意味しているのです。
人付き合いは大事ですが、必ず人間関係のトラブルがついて回ります。やたらに多くの人と付き合えば、その分トラブルも多くなりますので、付き合う人の数は絞り込んだほうがいいのです。
おしゃべりな人は、口数を減らすことで、言葉のトラブルが少なくなり、人から責められることもなくなります。
また、必要以上に課題を抱え、あれこれ考えるのを止めれば、ストレスから解放され心が軽くなります。
さらに、余計な考えが邪魔をして、自分のしたいことができないこともありますので、知識は持ちすぎないほうが良いのです。
このようにして、生き方、生活習慣を身軽にするのです。物事を増やすことばかり考えていては、人間は身動きが取れなくなってしまうものです。
これに関連して、中国の昔話に、犬に化けて暮らす仙人の話があります。
なぜ、そのような暮らし方をするのかと尋ねたところ、「人間は欲望の塊で、その欲望が不幸を呼ぶ。しかし、犬は余計な欲望を持たない。だから、その分、幸せに生きることができるからだ」と仙人は答えます。
身軽になる究極の方法は、犬になることかもしれませんが、もちろんそれはできません。しかし、自分に関わる物事を減らすことは、極めて大事なのです。
人間は、2本の腕、10本の指で、持てる荷物の数が限られています。何かを得たら、何かを捨てて、適正な数の荷物を持つことが、幸せにつながることを忘れないようにしましょう。
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