森羅万象から学ぶ人生羅針盤「部下に全力を出させる姿勢」
2022.10.13
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「部下に全力を出させる姿勢」
責任を負うというのは、自分以外の人間が何をするか分からないリスクをすべて背負うことですが、そのリスクの背負い方でも、日本の戦国武将とイギリス海軍の提督ではスタイルが違うようです。
戦国武将は陣屋を構えて報告を受け、「ものども、行け!」と指示を出しているのに対して、イギリス海軍の提督は、先頭に立って進んでいる軍艦に乗船して艦隊を率いています。つまり、最も敵の砲弾を受けやすい位置にいて、「我に続け!」とばかり文字通り矢面に立って艦隊を鼓舞しているのです。
これについては評価の分かれるところであり、やはり責任者は、一番危険な前線に立つべきではなく戦国武将の姿勢が正しいという意見もあります。しかし、一番偉い人なのに、死ぬ可能性が最も高いという危険を省みないイギリス海軍の提督の姿に、水兵たちは「この人について行こう。そして命がけで戦おう」という気になるのです。
これに関連して、以前内閣総理大臣であった田中角栄氏が、1962年の第2次池田内閣蔵相就任演説の一部である「できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこのワシが負う。以上」をご案内しました。これにより一瞬で大蔵官僚たちの心をつかんだと言われています。
田中角栄氏は、一見「ものども、行け!」タイプに見えますが、本質的には「我に続け!」タイプのリーダーなのでしょう。このような姿勢を上司やリーダーが示せば、部下は安心して全力を出し、さらにポテンシャルも全開にして、様々な問題を乗り越えられることを忘れないでください。
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