森羅万象から学ぶ人生羅針盤「頂点は危険の前兆」
2022.02.18
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「頂点は危険の前兆」
中国の古典『菜根譚』のなかの言葉に、「欹器(いき)は満つるを以って覆る」があります。欹器とは水を入れる容器のことで、形に特徴があり、空のときは傾いたままですが、半分ほど水を入れれば真っすぐ立つのです。
しかし、満杯にしてしまうとバランスを失ってひっくり返ってしまうため、ここから、人は満足している状態だと油断して、大きな危険にさらされていることに気付かないため、冷静になって十分に注意せよと指摘しているのです。
人間は、物事の頂点を極めると、往々にして自尊心が強くなるもので、他人の話に耳を傾けなくなり、物事を客観的に見ることができなくなってしまうのです。そうなると、自己主張がエスカレートし、裸の王様になってしまい、より危険な環境に身を置くことになるのです。
つまり、自分の力が証明されたとうかれている姿を見て、中には「おだてて利用してやろう」という人が現れるからです。自分を過大評価する人は、往々にして褒め言葉は受け入れますが、諫言には一切耳を貸さないので、操るのは簡単であり、どんどん危険な状況に陥れられるのです。
そして、日本にも「驕る平家は久しからず」ということわざがあるように、謙虚さがなければ、頂点にいられる時も短くなります。何よりも環境はどんどん変化しており、それに気付かなければ、あっという間に頂点から滑り落ちます。
まさに、頂点は危険の前兆なのです。それならば、頂点に達した時こそ、むしろ頂点を離れる準備をはじめる絶好のタイミングとして捉え、余力を残して退くことの重要性を認識しましょう。これは、健全な組織運営のために不可欠な要素であることを忘れないでください。
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