森羅万象から学ぶ人生羅針盤「頼りにされない孤独」
2025.08.01
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「頼りにされない孤独」
『人生論ノート』などの著書で知られる哲学者の三木清氏は、「孤独は山になく街にある。1人の人間にあるのではなく大勢の人間の『間』にあるのである」と述べています。
要するに真の孤独は精神面にあり、周りに大勢いても、誰1人として自分を頼りにしてくれないことなのです。頼りにされない孤独ほど辛いものはありません。
これはある漫画のストーリーですが、娘婿は事業をやるたびに失敗し、その都度、「お義父さん。お金を貸してください」と懇願してくるのです。義父が表面上渋い顔をしていましたが、実は婿さんに頼りにされることがうれしかったのです。
その真相は、義母が非常に強い人で、もし義父に死なれ自分と娘だけになっても、逞しく生きていける自信を胸に秘めていたからです。義父もそのことに気づいていたため、「自分は頼りになんかされていない」という孤独を抱えながら人生を送ってきたわけです。
その証拠に、娘婿がやっと事業に成功し、今までの借金を完済すると言ってきたとき、喜ぶどころか寂しそうに「つまらない男になったな……」とつぶやいたのです。つまり、もう自分を頼りにしてくれる人がいなくなり、孤独の淵に追いやられることが何よりも辛かったからです。
それを知った娘婿は、義父の死に際に耳元で、「お義父さん。もう一度お金を貸してください」と嘘を言うのです。そうすると意識がないはずの義父がかすかに微笑んで亡くなったのです。
大勢の人間の「間」を埋めるのは、頼りにして頼りにされる相互依存なのでしょう。それが孤独を解消されるのであれば、非常に結構なことだと思います。
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