森羅万象から学ぶ人生羅針盤「3年をめどに異動する」
2024.07.30
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「3年をめどに異動する」
人材育成のポイントの後半は、決して難しいことではないのでむしろ積極的に推進してほしいことですが、約3年をめどに人事異動を実行するのです。こうすれば、すべての業種に目鼻がつく人材が育つのです。
これは日本型経営の特徴の1つなのです。例えばアメリカであれば、就職は会社に勤務するというよりも、自分が生かせる“職種に就く”というのが一般的です。つまり営業なら営業、経理なら経理と、入社時の職種は退職するまで同じです。
これに対して日本は、会社の仕組みを重視し、色々なことを学ばせる企業文化が定着しています。その代表が総合商社ではないでしょうか。この企業スタイルは海外には無いため、英語の辞書にも「sogoshosha」と表記されています。
海外の商社は専門商社であることが一般的で、鉄なら鉄、石油なら石油と、取り扱うものが専門化されています。しかし、日本の総合商社における人事異動では、「昨日までタラバガニの輸入をしていたのに、今日から鉄を扱うことになった」などは当たり前のように起こるのです。
3年を経過した後に他部門に異動することは決して無駄ではありません。それだけ視野が広がり、中には今まで以上に有能な人材に成長する可能性もあるからです。
もちろん、高い専門性を要求される職種は、決して動かすことはできませんが、動かすことで視野が広がって、活躍するフィールドも広がるのであれば、これに越したことはありません。
中小企業の社員は、一騎当千でなければなりません。それにはこうした人事異動が有効であることも大いに実証実験してください。
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