森羅万象から学ぶ人生羅針盤【「儲けは後からついてくる」の裏付け】

2023.05.20

森羅万象から学ぶ人生羅針盤【「儲けは後からついてくる」の裏付け】
古代アテナイの政治家テミストクレスは、「金で信用をつくろうと思うな。信用で金をつくろうと考えよ」と指摘しています。

　お金で信用をつくろうとする代表的な行為は奢（おご）りです。飲食を奢ってやれば、誰もがお世辞を言ってくれますが、それを信用と錯覚してはいけません。

そんなことを続けていれば、その人の周囲にはいつの間にかゴマすりのイエスマンしかいなくなるものです。当然、諫言する人などは排除しますから、自分は人から一目も二目も置かれていると自惚れがエスカレートしていくのです。

しかし、経済的に悪い変化があり、「もうこの人から何のうま味も期待できない」と分かれば、みんな潮が引くように去っていきます。まさにお金で信用はつくれないという見本のようなものです。

　逆に信用は、お金をつくってくれます。世の中に求められ役に立つ仕事をして、それが評価されれば信用・信頼になり、その対価として当然の報酬を得られるのです。

それを基本に置き、一つひとつの仕事を間違いなく完璧に仕上げるという信用を積み重ねれば信頼に昇華して、リピーターや紹介客などを生み出し、結果として永続的なお金になるのです。

　以前、コクヨの創業者・黒田善太郎氏の言葉に「商売の利潤というものは、追求するものではない。利潤は、その事業が社会に貢献することによって社会から与えられる報酬である」という言葉をご案内しました。

　まさに社会貢献から信用が生まれ信頼となり、最終的に利潤というお金をつくりだすのです。これこそがよく言われる、「儲けは後からついてくる」という言葉の裏付けであることを強く認識してください。