森羅万象から学ぶ人生羅針盤[人生の卒業証書を手にする]
2023.04.16
森羅万象から学ぶ人生羅針盤[人生の卒業証書を手にする]
良く知られている故事に「棺を蓋いて事定まる(ひつぎをおおいてことさだまる)」があります。ある人の評価は、その人が生きている間に公平に下すことは難しく、死んだ後にならないと定まらないということです(故事成語を知る辞典より抜粋・要約)。
確かにそうかもしれません。人間が生きている間には毀誉褒貶(きよほうへんがあり、その人を評価する側も、自分の利害が絡めば、利益を与えてくれたり味方してくれた人は評価するでしょうが、損をさせられたり敵対したりすれば悪し様(あしざま)に言うので、人の真価は分からないものです。
しかし、それでも自分の目的・目標、自己実現、さらには自己超越に向けて常に努力している姿は、誰も悪く言うことはありません。これに関連して、アメリカの女性歌手アーサ・キット氏は「私は常に学んでいる。墓石が私の卒業証書だ」と述べています。
実はキット氏は、白人の父とネイティブアメリカンの母の間に生まれ、その複雑なアイデンティティのために様々な差別を受けていました。しかし、彼女は歌手としてとことん努力し、アメリカのショービジネスの世界で、常に新しい音楽に挑戦し注目され続けたのです。
そんなキット氏は、81歳で鬼籍に入るまで生涯現役でした。つまり、人生という学校で死ぬまで学び続けていたのです。しかもその学びは、リタイアした人がボケ防止のために行う趣味の学習などではなく、現役歌手としてよりクオリティの高いものを身につけようというレベルの学習なのです。
だからキット氏は、墓石こそ自分の人生学校の卒業証書だと堂々と言えたのでしょう。私もそんな学びを続け、人生の卒業証書を手にしてみたいと誓いを新たにした次第です。
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