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森羅万象から学ぶ羅針盤「ちゃんと見ている」
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森羅万象から学ぶ羅針盤「ちゃんと見ている」

2020.11.06

森羅万象から学ぶ羅針盤「ちゃんと見ている」
 老子の有名な言葉に「天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず)」があります。

 天網とは天罰を意味します。恢恢とは広大ということです。
天の網は大きくて広く、目が粗いようにみえますが、悪人を取り逃がすことはありません。悪事に対しては、必ず裁きが下るということを言っています。

 当たり前の話ですが、絶対に、不正を行ってはいけません。
 それは、必ず発覚するのです。

 同じ意味の故事に「楊震四知」があります。
後漢時代の中国に、楊震という、クリーンを絵に描いたような政治家がいました。
 楊震は、彼に対して不正な金品を贈ろうとしたものに「天知る地知る我知る人知る」と諭します。
 不正は、天地の神も知っています。もちろん、当事者同士も知っています。だから、いずれ皆の知るところとなるのです。

 また、これらの言葉は、見る人は、ちゃんと見ていてくれているという意味にも使われます。

 努力をしているにも拘わらず、物事が思ったように叶わずに、四苦八苦していている人はあちこちにいると思います。
 しかし、そんな辛い状況にあっても、誰かが見ていてくれるのです。
 そして、いつか自分を認めてくれると信じる気持ちを忘れてはいけません。

 我々の周りには、物事の本質を見抜き、正当な見識をもっている人が必ずいます。
そういう人が、天網恢恢疎にして漏らさず、天知る地知る我知る人知るとばかり、手を差し伸べてくれます。
ですから、不遇にあっても、懸命に頑張ることが大事なのです。

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