森羅万象から学ぶ羅針盤「則天去私」
2020.11.09
森羅万象から学ぶ羅針盤「則天去私」
文豪・夏目漱石にまつわる有名な言葉として、則天去私があります。
これは、晩年における漱石の心境をつづった言葉として知られ、宗教的な悟りとも、漱石の文学観ともされています。
漱石の最後の小説『明暗』は、則天去私をテーマに書かれたという人もいます。
辞書的には、「天に則し私を去る」として、私利私欲に囚われず、身を天(自然の法則)にまかせて生きていくことを意味しています。
これを踏まえて、リーダーとされる人には、まさに則天去私の資質を求められるのではないでしょうか。
人を統率、指導する立場の人は、まず私心を捨てることが必要です。
そして、物事を公平に評価していかなければなりません。
それはまさに、天の仕組みに則った物差しをもって、判断することなのです。
特に、経営トップの立場になれば、則天去私は必要不可欠です。
なぜなら、私欲が深すぎる経営者は、失敗する傾向にあるからです。
もちろん、欲がなければ、モチベーションに結びつきません。
しかし、損得に、過剰になりすぎることは、極めて危険です。欲をかけばろくなことがないのです。
経営トップたるもの、自分の感情や欲望にこだわらず、去私を貫きましょう。
また、則天、つまり自分をとりまく世界を冷静に客観的に見つめることは、組織を運営するうえで、極めて重要なことであることを知りましょう。
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