森羅万象から学ぶ羅針盤「善行を体現する人とは」
2020.10.15
森羅万象から学ぶ羅針盤「善行を体現する人とは」
老子の言葉に「善く行く者は轍迹(てっせき)なし」があります。
直訳は、上手に歩く人は足跡を残さないとなります。
その意味は、善行を体現する人は、大きな仕事をやっても、それを誇示したり、「おれのやった仕事だ」と記録を残したりしないということになります。
価値ある功績とは、そういうものであるとしています。
私達は、往々にして自分の業績を誇りたくなります。
何か人のためにしたり、会社の業績に貢献したりすると、それを自分の手柄として、多くの人に知らしめ、誇りたいと思うものです。
しかし、そんな行為は、自分のための行動であり、善行ではないと老子は説いています。
企業しても、花形部署にいる社員などは、「俺たちがいるから会社は持っているんだ」「会社のみんなは、俺たちが飯をくわせているんだ」などと、思いがちになってしまいます。
しかし、華やかな舞台にも、裏方さんの働きがあって成り立つように、どんな仕事でも、必ず、縁の下の力持ちがいて、支えてくれているのです。
水面下の地味な仕事があって成り立つのが成果ですが、理屈ではわかっていても、なかなかこれを認めようとしないのは、人間の弱さです。
手柄は他人にやり、自らは、無為自然に、社会、会社に貢献できるような境地にたどり着けるように、日々精進しなくてはなりません。
ちなみに、聖人と呼ばれる人は、世界を動かしますが、その仕事において、聖人の名は、歴史に残らないのです。
そして、歴史に名を残すような人物は、聖人に準じるような人物であり、優れた仕事をしても形跡があらわとなり、彼の名は、歴史に残ってしまうのです。
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