森羅万象から学ぶ羅針盤「目先の利益に囚われない」
2020.11.18
森羅万象から学ぶ羅針盤「目先の利益に囚われない」
『韓非子』の「十過」(身を破滅させる十の過ち)の一つに「小利を顧みるは則ち大利の残なり(しょうりをかえりみるはすなわちだいりのざんなり)」があります。
小さな利益に惑わされると、大きな利益を失うという意味です。
この教訓を示す故事が、次のようなものです。
晋(しん)が、虢(かく)を攻め落とそうとして、虢の隣国である虞(ぐ)の領内の通行許可を求めるため、虞の王に高価な贈り物をします。
虞の重臣たちは、「もし友好関係にある虢が滅んだら、我が虞も同じく晋によって、滅ぼされる可能性があります。絶対に晋の言うことを認めてはなりません」と、王に進言します。
しかし、その贈り物が欲しいばかりに、虞の王は、晋に領内の通行許可を与えるのです。そして、虢は滅ぼされますが、その3年後に、虞もまた晋によって、虢と同じ運命をたどることになるのです。
虞の王は愚かであるというのは簡単ですが、現在、このような話は、枚挙に暇がありません。
M&Aの事例などで、役員の椅子をちらつかされて、会社を売り渡しても、1年も経たないうちに、結局追放されたなどという話は、よく聞きます。
いずれにせよ、こうした局面に接し、決して惑わされないためには、大局的な見地に立つ能力を身につけておく必要性があります。
それには、他人の意見を素直に聞くことです。
そして、日頃より物事を俯瞰するようにしましょう。
また、長期的視野に立って考えるようしなければなりません。
さらに、事あるごとに、物事の根本に立ち返る癖をつけておきます。
そうすれば、物の見方が広く、深くなり、人間としても大きく成長することになります。
そして、決して目先の小さな利益に囚われないようになり、重大なことを見失わなくなるのです。
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