森羅万象から学ぶ羅針盤「社会契約は民主主義の原理」
2020.10.15
森羅万象から学ぶ羅針盤「社会契約は民主主義の原理」
西洋では、16世紀から18世紀、国王が絶対的権限をもつ絶対主義の政治が行われていました。
これを打破し、自由で平等な個人が、互いに契約を結ぶことによって国家や政治社会をつくろうとする思想が、社会契約説です。
その思想の先駆者となったのが、イギリスの哲学者・ホッブズです。
彼は、人間は極めて自分勝手な生き物であるため、政治制度のない自然状態では、自分の命を守るという自然権すら保障されなくなると主張しました。
それゆえ、社会契約によって自然権を守る強力な国家をつくり、個人はその国家に自然権を譲り渡さなくてはならないとしました。
これに対して、同じイギリスの哲学者・ロックは、社会契約は、ただ単に、人々の身体の安全だけを守りさえすればよいものではないと考えました。
やはり、個人の生命をはじめ、自由、財産に対する権利も尊重しなくてはなりません。
この権利を、社会契約によって成立した政治的組織・権威が侵害した場合、市民は抵抗して委ねた権利を取り戻すことができると考え、民主主義の原理となる思想を説いたのです。
ちなみに、ドイツの哲学者・カントは、「人間性が最高に完成された状態は、文明的な状況で生活するのでなければ実現不可能」と考えました。
そして、その文明的な状況を手に入れるために「自然状態から脱して社会契約を結ぶ義務がある」と説きました。
社会契約説は、我が国をはじめとする民主主義国家の、根本的な原理となった考え方です。
国や政治制度と個人の在り方を見つめなおし、我々がより自由でより暮らしやすい世の中にしていくためには、こうした制度の原理を知ることが大事であると認識します。
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