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森羅万象から学ぶ羅針盤「2つの意味を実践する」
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森羅万象から学ぶ羅針盤「2つの意味を実践する」

2020.11.11

森羅万象から学ぶ羅針盤「2つの意味を実践する」
苔テラリウムが静かなブームであるように、日本では、苔は、鑑賞用としても広く愛されています。
 しかし、世界に目をむけると、苔に関する事情は様々なようです。

「転がる石に苔むさず」(A rolling stone gathers no moss)は、国によって、違う意味を持つことわざです。

アメリカでは、苔は、カビと同じように、汚いものと思われているようです。
 苔は、同じ環境に長期間おくことによって、はじめて生えてくるものです。
そのため、転がる石は、常に周辺環境が変わるため、汚い苔がつかないのです。
つまり、いつもポジティブに変化し、活動していることが大事であるという、良い意味で捉えています。

一方、イギリスでは、苔は嫌われておらず、苔がむさないことを、悪い意味に捉えます。
つまり、仕事をコロコロ変える人、生き様が不安定な人などは、まるで転がる石のようで、信用という苔がむすことがないので、評価できないという意味です。
 ちなみに、イギリスのロックバンドであるザ・ローリング・ストーンズは、その退廃的な雰囲気にぴったりの名前だと思います。

 日本の場合は、文脈によって、この2つの意味をうまく使い分けているようですが、おおむねイギリスの解釈に近い使われ方がされています。
 国歌『君が代』の歌詞も「…苔のむすまで」と結んでいるように、苔むすことは、極めて喜ばしいことなのです。
つまり、イギリスも日本も、落ち着くことを評価する国民性なのでしょう。

 このように、同じことわざでも、アメリカと、イギリスでは、正反対の意味に捉えています。
しかし、これは、同じ物事でも見る角度が違うだけなのです。
どちらも、極めて重要な指針が示されています。

 そして、悪いことは一切身に付けないようにするというアメリカ流と、良いことはじっと身に付くまで行うイギリス流の、2つの意味を同時に実践すれば、ことわざの持つ広い意味も生きてくるというものです。

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