森羅万象から学ぶ人生羅針盤「活字でも理解できる人間になる」
2023.05.21
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「活字でも理解できる人間になる」
SNSやメールの活用で、以前よりも「書く」ことが増えたので、よく言われている「活字離れ」は解消されているという人もいますが、本来の意味は、小説や教養書をはじめ本を読む人が少なくなり、漫画やテレビをはじめとした画像やメディアに触れて、そこから知識や情報を得ている傾向を指しているのです。
しかし、漫画の「伝わる」力は馬鹿にできません。当たり前のことを人気漫画で述べられると、活字では伝わらなかったものが簡単に「伝わる」からです。
例えば、人気漫画『スラムダンク』に登場する安西監督のあまりにも有名な言葉に、「あきらめたらそこで試合終了だよ」があります。そして多くの若者が、その言葉に感動したと言っていますが、同じようなことはとっくの昔から多くの先人・先哲が既に言っているのです。
例えば、この連載でもご案内した、古代ローマ時代の詩人オウィディウスの「力によってではなく、何度も落ちることによって、滴は岩に穴をあける」や、同じく古代ローマ時代の哲学者ルクレティウスも「雨だれが石を穿(うが)つのは、激しく落ちるからではなく 何度も落ちるからだ」のように、何事も諦めてはいけないことについて、こんな大昔から指摘しています。
しかし、前述のように、同じことでも小説や教養書では伝わらなくても、漫画なら「伝わる」のです。これが活字離れの本質ですが、日ごろから活字に親しんでいる人なら、漫画で感動することなどありません。活字によって、既にもっと高度で深淵な内容に触れているからです。
自分が理解できない勉強に挑戦する際、小学生向けに漫画で解説してある初心者本を読むことは有効ですが、そこで何もかも知ったような気になってはいけないのです。あくまで基礎知識を固めることが目的であり、必ず次のステップの本を読んで活字に積極的に触れ、活字でも理解できる人間になってください。
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