森羅万象から学ぶ羅針盤「不動心を養う」
2020.11.25
森羅万象から学ぶ羅針盤「不動心を養う」
「これを望めば木鶏に似たり」という言葉は、『荘子(達生篇)』にある故事に由来します。闘鶏が、まるで木彫りの鶏(木鶏)のように、まわりの影響を受けることなく動じない状態を指しているのです。
その故事は、つぎのようなものです。
紀渻子(きせいし)という闘鶏を育てる名人がいました。
彼に鶏を預けた王は、10日ほど経過した時点で、闘鶏としての仕上がり具合について尋ねます。
すると紀渻子は、「闘志がみなぎってばかりで、やたら闘いたがっています」と、闘鶏として仕上がっていない旨を答えます。
王は、その後も鶏の様子を尋ねますが、紀渻子は40日経過して「ようやく仕上がりました。他の鶏がいたずらに鳴いて闘いを挑んでも、まるで木彫りの鶏のように動かず、同ずることはありません。体中に不動心が溢れているからです」と答えました。
ちなみに、木鶏に関する有名なエピソードとして、史上最強と謳われた名横綱・双葉山が、自らの連勝記録が69でストップした際、尊敬する陽明学者・安岡正篤氏に「ワレイマダモッケイタリエズ(我、未だ木鶏たりえず)」と電報を打ったとされます。
このように、木鶏は、格闘家の究極の姿のように思われがちです。
しかし、本当の意味は、理想のリーダー像を表しているのです。
不動心が満ちている人は、他人に対して無言の影響を与えてしまうものなのです。
つまり、不動心を養うことで、人としての道を極めれば、そこにいるだけで人々の模範になるのです。
まさに、不動心こそ、木鶏たるリーダーに求められる必須条件なのです。
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