森羅万象から学ぶ人生羅針盤「マキャベリと孫子」
2021.04.20
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「マキャベリと孫子」
イタリアの政治思想家マキャベリは、その著書『君主論』のなかで、「他人を傷つけねばならぬ場合には、その復讐を恐れる必要のないほど、痛烈にやっつけておかねばならない」としています。
つまり、反撃すれば、さらにもっと酷い目に遭わされると思わせ、相手の心を完全にへし折るということです。
これに関連して、以前、「相手を追い詰めない」として、孫子の言葉である、「囲師(いし)には必ず闕(か)き、窮寇(きゅうこう)には迫ることなかれ」をご案内しました。
ピンチに陥った敵を追い詰めては、やけくそになって、何をしでかすか分からないからです。
この2つの言葉を比較すると、やはり孫子の言葉の方が、現実的であるように思います。
確かに、マキャベリの言葉の意味はよくわかりますが、恨みは決して消えることはありません。それどころか、恨みは連鎖し、子々孫々と受け継がれ、いつか相手が弱ったタイミングを見つけて、反撃されてしまうのです。
もし、他人とトラブルになり、憎しみ合うことになって、どうしても許すことができなければ、自分に嘘をついてまでして、許す必要はないと思います。
しかし、その気持ちを、態度や行動に表さなければよいのです。
それには、お互いが、静かに距離を置くようにするのです。
そして、何よりも因果応報という考えを身につけるべきです。
良いことをすればよい報いがあり、悪いことをすれば悪い報いがあると意識すれば、結局、連鎖を繰り返すことになる復讐という概念はなくなるでしょう。
マキャベリと孫子は、よく比較されますが、トラブル対処法に対する考え方の違いは、徹底的に争う西洋と、和を以て貴しとなす東洋の、文化の違いなのかもしれません。その違いを認識し、それぞれの意味を理解することで、我々の人生は、より深いものになっていくのでしょう。
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