森羅万象から学ぶ人生羅針盤「地位・名誉を買わない」
2021.05.01
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「地位・名誉を買わない」
中国の『後漢書』の中の故事に「銅臭」があります。
銅銭のもつ悪臭を意味し、「金銭をむさぼり、また、金銭によって官位を得るなど、金力にまかせた処世を卑しむ語」(デジタル大辞泉より)であるとしています。
そして、後漢の崔烈(さいれつ)が、銭五百万を使って大司徒にのぼったとき、子の鈞に、世間で言われている自分に対する評判を聞くと、鈞は「論者は、その銅臭を嫌う」と答えたといいます(同)。
つまり、崔烈は、息子から、「父上。あなたには、お金の悪臭が漂っていると、もっぱらの評判です」と指摘されたのです。
崔烈に限らず、人はなぜ、そうまでして地位・名誉を欲しがるのでしょうか。それは、地位・名誉には、人だけでなく、お金も頭を下げるからです。
そもそも、お金というものは、本来、もらう方が払う方に対して、頭を下げていただくものです。
しかし、お金を払う方が、頭を下げることがあります。
例えば、お医者さんへの治療費、弁護士への報酬、お坊さんへのお布施、有名文化人への講演料、茶道や華道の月謝などは、なぜか、払う方がペコペコします。
それは、もらう方に「先生」と呼ばれる地位・名誉があるからです。そして、地位・名誉には人が頭を下げ、お金のほうから「ぜひ、受け取ってください」とばかり寄ってくるのです。だから、多くの人が、地位・名誉を欲しかるのです。
記憶に新しいところで、某政治家が、公職選挙法違反(買収)の罪に問われ、実刑判決が下りました。金銭によって票集めを行い当選したため、政治家という地位・名誉を不正にお金で買ったことになり、その罪が裁かれたのです。
言うまでもなく、お金で買った地位・名誉には、何の値打ちもありません。そして、本当の地位・名誉には、お金ではなく、多くの人の称賛の声が寄せられるものです。そうして形作られるのが、地位・名誉の本質であることを忘れてはいけません。
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