森羅万象から学ぶ羅針盤「雄弁な本に触れる」
2021.05.03
森羅万象から学ぶ羅針盤「雄弁な本に触れる」
内閣総理大臣を務めた田中角栄氏の言葉に、「本当の雄弁は相手の心をとらえる。聞く人が『今日は良かったな』と思う話をする。それが本当の雄弁というものだ」があります。
確かに、その通りだと思います。雄弁とは、口数の多さではないのです。「今日は良かった」と思えるのは、言葉の数ではなく、重みのある一言なのです。それは、むやみに「伝える」ものではなく、自動的に「伝わる」ものなのです。
そして、人の話だけでなく、様々な書物にも、「読んで良かったな」と思える雄弁な本があります。それは、歴史上の人物や、作家をはじめとする識者の著作に限りません。ビジネスをはじめ、様々な分野で、功成り名遂げた人物の著書は、実に雄弁です。
松下電器産業(現パナソニック)創業者・松下幸之助氏の著書や、京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者である稲盛和夫氏の著書なども、「読んで良かったな」と思える雄弁な本です。
そうした、数ある雄弁な本の中でも、やはり、ビジネスマンにとって、経営学者P.F.ドラッカー氏の一連の書物は、雄弁な本のオンパレードといえましょう。
その代表的な著書である『マネジメント』は、特に雄弁です。以前にも、同書に記載されている「企業の目的は顧客の創造であり、出発点は顧客である」「知りながら害をなすな」「利益は企業存続の条件」などをご案内していますが、読後に極めて大きな手ごたえを感じる言葉ばかりです。
「聞いて良かったな」と思える演説だけでなく、ドラッカー氏の著書をはじめ、多くの雄弁な本の中にある数々の金言に触れると、まさに「読んで良かったな」と思えるのです。
演説においても、本においても、真の雄弁は、間違いなく人を感動させるものです。雄弁な本に触れることは、人生における大いなる喜びになるのです。
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