森羅万象から学ぶ人生羅針盤「摩擦を怖れない」
2021.06.25
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「摩擦を怖れない」
明治の実業家・渋沢栄一氏は、その著書『論語と算盤』のなかで、「人間には如何に円(まる)くとも、どこかに角が無ければならぬもので、古歌にもあるごとく、あまり円いとかえって転びやすい」と述べています。
性格が良く、空気を読んで、和を大事にすることは大いに結構なことですが、それだけでは、周りに流されがちになります。
やはり、時には、尖った部分を出し、つまり強烈に自己主張することも必要であり、それが周りに影響を与え、自分自身を成長させることになるのです。
これに関連して、以前、電通の社長を務め、広告の鬼とされた吉田秀雄氏が提唱した『鬼十則』をご案内しました。その中の一つに、摩擦を怖れないことが挙げられています。
摩擦とは、ケンカではありません。周囲との意見衝突です。しかし、摩擦を受け入れる覚悟をし、これを乗り越えることで、大きな仕事を成し遂げることができるのです。
そして、摩擦を怖れないためには、決して独りよがりにならず、周囲へ協力を求め感謝をし、チームワークの重要性を認識すればよいのです。
そして、『論語と算盤』では、「小成に安んじてはならぬ」とも述べています。吉田松陰も同様の指摘をしており、「老兄の為す所学ぶ所、事々皆実なり、但だ軽用妄挙して以って小成に安んじることなかれ」としています。
人の生き方や学んできたことの正しさは認めるが、安易なことばかりにとどまって、その結果、こぢんまりとした人物になってはダメという意味です。
つまり、摩擦を怖れて、小さな成功に満足して終わってはいけないのです。
前述の『鬼十則』には、摩擦は進歩の母とも記されています。そして、大きな仕事には、摩擦を乗り越えてきた足跡があることを、しっかりと認識しましょう。
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