森羅万象から学ぶ人生羅針盤「悪口は自分に返る」
2021.07.08
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「悪口は自分に返る」
悪口ばかり言っている人は、決して人に好かれませんが、これにもきちんとした学術的な裏付けがあるのです。
米オハイオ州立大学のジョン・スコウロンスキ博士が示した心理学用語に「自発的特徴変換」があります。話の聞き手は、話の中で評価される第三者の特徴を、その話し手に被せてしまうという効果を表した言葉です。
例えば、AさんがBさんから「Cさんて、こんなに酷い人だ」と、さんざん悪口を聞かされた場合、Aさんは、Cさんを悪く思うよりも、Cさんの悪口を言ったBさんの方を良く思わないようになるのです。つまり、Cさんに対する悪い事柄を、Bさんにすり替えて考えてしまうからです。
スコウロンスキ博士は、これを実験でも証明しています。被験者に対して、「Dさんは動物を虐待する酷い人だ」と、EさんがしきりにDさんの悪口を言っているビデオを見せるのですが、被験者の多くは、悪口を言っているEさんのほうに、悪いイメージを持ったといいます。
普通に考えても、人の悪口を聞いていると、それが例え自分のことでなくてもいい気持ちはしません。そして、悪口の内容は忘れても、悪口を言ったという強いインパクトの事実が残り、なかなか忘れないものです。
そして、これはビジネスにおいても、気を付けなければならないことです。部下を酷い言葉で叱責している上司に対しては、その言葉の印象が上司そのものに被ってしまい、人望を失うのです。
その一方で、「自発的特徴変換」は、褒めることにおいても、同じ効果が認められます。人を褒めてばかりいる人は、第三者に対する褒め言葉の印象がその人に重なるので、どんどんイメージが良くなっていくのです。
まさに、人を積極的に褒めることこそ、「自発的特徴変換」の健全な活用法なのです。そして、悪口を言えば、必ず自分に返ることを肝に銘じておきましょう。
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