森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言葉に魂を吹き込む」
2021.08.18
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言葉に魂を吹き込む」
これまでに、言葉の持つ重要性について様々にお話をしてまいりました。
そして、作家・三浦しをん氏も、著作『舟を編む』のなかで「なにかを生み出すためには、言葉がいる。(中略)言葉という落雷があってはじめて、すべては生まれてくる。愛も心も。言葉によって象(かたど)られ、昏(くら)い海から浮かびあがってくる」と述べており、言葉によって人と人とが結びつけられ、人間社会が成り立っていることを指摘しています。
しかし、その一方で、言葉がいたずらに多用されるようになりました。
これに関連して、『遠野物語』などの著作で知られる民俗学者の柳田國男氏は「言葉さえあれば、人生のすべての用は足るという過信は行き渡り、人は一般に口達者になった」と述べています。
確かに、ネット上では、日々論戦が繰り広げられています。しかし、そのほとんどが、生産性のない無意味な議論に終始しています。揚げ足取りのようなやり取りも多く、何の解決にもならない意見を応酬するだけで終わっています。議論という手段を目的にすり替えて、自己満足しているだけなのです。
柳田氏は、主に戦前に活躍した学者ですが、前述の言葉は、今日のネット社会の有様を予言していたのではないかとも思われます。
言葉だけで、人生のすべての用が満たされることはないのです。言葉を補い、その意味を形作るのは、言うまでもなく行動です。
言葉によって、励まされたり傷つけられたりするので、その力は大きいのですが、それだけで終わることなく、必ず裏付けとなる行動をもって、言葉に魂を吹き込んでください。そうすることによって言霊が生かされ、言葉の意味と価値が証明され、大いなる役割を果たすことになることを忘れてはいけません。
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