森羅万象から学ぶ人生羅針盤「弱さを見せる」
2021.10.11
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「弱さを見せる」
これまでリーダーとなる人には、能力だけでなく人望が不可欠であることを、様々に述べてきました。優秀性に加えて、必ず言行が一致しており、人に対する愛情にあふれ、決して悪口は言わないなど、人望のある人には誰が見ても納得する特徴があります。
そして、人望に加えて、自分の弱さを素直に見せることも、リーダーにとって重要な要素なのです。
これを裏付けるように、作家の塩野七生氏は、「優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。率いられていく人々に、自分たちがいなくては、と思わせることに成功した人でもある」と指摘しています。
リーダーたる人について行こうと思う一番の動機は、「この人には自分が必要である」と確信することです。
どんなに優れた人でも、必ず弱点があります。人望のある人がそれをさらけ出すことで、周囲に「自分の得意分野で、この人をサポートしたい」と思わせ、多くの人を集め、統率することができるのです。
逆に、能力も万能で人格も高潔な人物が一切弱さを見せないと、「この人には、自分なんかいなくても、十分やっていける」と周囲に感じさせてしまい、せっかくの優秀な人材が参集しなくなってしまうのです。
指揮官と参謀では、能力の種類が違うように、人の優秀性は千差万別なのです。そこで、自分に足りない部分を他人の能力で補うことによって、相乗効果が発揮され、組織としての大きな力に発展するのです。
リーダーは、決して変な自尊心を持ってはいけません。無理して強がるよりも、弱さを見せ、積極的に補ってもらうことが、求められる重要な要素であることを肝に銘じておきましょう。
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