森羅万象から学ぶ人生羅針盤「心の奥底で繋がる」
2021.11.12
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「心の奥底で繋がる」
唐の時代の政治家・魏徴(ぎちょう)は、自分が著した詩集『述懐』において「人生意気に感ず、功名誰(たれ)か復(ま)た論ぜん」と述べています。
「意気」とは、やり遂げようとする積極的な気持ちのことです。人は金銭などの欲や、名誉のために行動するものではなく、心意気を感じて行動するもので、功名のことなど誰が問題にするものかという意味です(故事ことわざ辞典より抜粋)。
これは、他人から受ける影響によって、損得抜きの感情が生じ、行動の動機となるときに用いられる言葉です。
例えば、9月の自民党総裁選では、現・岸田文雄首相が総裁に選ばれましたが、対立する候補には、最初から当選する可能性がまったくない人もいました。
しかし、そんな人にも支持者がいるのです。もちろん、政治信条が同じであるということもありますが、負け戦と分かっていても戦おうという気持ちを意気に感じたから応援したかもしれないのです。
それに対して、いつも有力者にべったりと張り付いていて、もしその人に力がなくなれば、別の有力者にすり寄るというコバンザメのような政治家もいます。
そして、そういう人の支持者も同様で、上辺だけの人間関係によって構築された集まりに過ぎず、その人が力を失えば、潮が引くように離れて行くものです
誰しも、利害関係が行動動機になってしまうのは致し方無いことなのでしょう。しかし、それでは、人の本当の心を掴むことはできません。心の奥底で繋がりあってこそ、真の人間関係なのです。そんな姿勢を、周囲の人は高く評価してくれることを忘れないでください。
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