森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の徳を実現させる」
2021.11.20
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の徳を実現させる」
五千円札の肖像にもなった教育者の新渡戸稲造は、その代表的著書『武士道』において、「日本人の美しき礼儀の良さは、外国人旅行者の誰もが認めるところである。だが、もし礼が、『品の良さ』を損なう恐れがあるがために行われるのであれば、それは貧弱な徳といわねばならない」としています。
そもそも、徳とは、東洋と西洋の名だたる哲学者たちも、それぞれに徳を定義しており、極めて幅広く深い意味があり、一言では言えません。
ブリタニカ国際大百科事典小項目事典の解説によれば、「哲学,宗教の中心的課題の一つ。倫理的,道徳的善に対する意志の恒常的志向性,ないしは善を実現する恒常的能力をいう。したがってそれがみずからの修練によるものであるか否かを問わず身についたものでなければならない」としています。
要するに、内面から湧き上がる人間の善を言動に表したものなのです。つまり、上っ面ではないということです。
これを踏まえて考えれば、他人から「あの人は徳がある」と言われたいために、心の底では納得していないにも拘わらず、表面的に礼儀正しく見せるのは、本当の徳ではない、徳の本質を理解していないということになります。そのため、かろうじて徳のある姿を演じている様子を、貧弱な徳と指摘しているのです。
そして、前述の『武士道』では、義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義という7つの徳を示しています。正しく、勇敢で、思いやりに溢れ、他人を敬い、誠意を尽くし、恥ずかしい生き方をせず、人のために邁進というものです。
こうした要素が内面から溢れ出て、真の徳を実現させることができることを肝に銘じ、自らを磨き続けることを忘れないでください。
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