森羅万象から学ぶ人生羅針盤「本質的な助けをする」
2021.12.02
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「本質的な助けをする」
古代ローマの喜劇詩人テレンティウスの言葉に、「健康な者が病人に助言を与えるのはたやすい」があります。つまり、健やかな人には、弱っている人の本当の気持ちが分からない場合があり、時として、上から目線での励ましや慰めの言葉が、傷つけることにもなるからです。
確かに、阪神淡路大震災や東日本大震災でも、被災地でいわゆる「分断」が発生しました。家族を亡くし家屋などの財産を失った人がいるなかで、奇跡的に何の被害も受けなかった人もいます。そして、無傷の人が大きな被害に遭った人に対して、慰めの言葉を発しても、受け取る側にしてみれば、「お前に何が分かる」と、逆効果になったのです。
これは、ビジネスの現場でも同じことが言えます。大きな困難に直面した人に、決して「あなたの苦悩はよくわかる」などと、同情や共感と受け取れる言葉を、軽々しく使うのではなく、「あなたの苦悩はわからないけれど、それを分かろうという気持ちは大いにある」と伝えるべきでしょう。
また、タイミングを見計らうようにします。何よりも相手の気持ちを思いやることが大事であるため、混乱の最中は避け、落ち着きを取り戻した時に、励ましたり慰めたりすべきです。
そして、積極的に言葉を投げかけるよりも、じっと見守ることが効果的である場合があります。なぜなら、どんな悩みも、解決するのは自分自身だからです。もちろん、助言を求めてきたならば、全力で対応しなければなりません。その時も、必ず相手の立場になって考えてこそ、本質的な助けになることを忘れないでください。
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