森羅万象から学ぶ人生羅針盤「正道にこそ真の価値がある」
2022.01.14
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「正道にこそ真の価値がある」
「敵に塩を送る」とは、敵の弱みにつけこまず、逆にその苦境から救うという意味に用いられる言葉です。正確には「我は兵を以(もっ)て戦ひを決せん。塩を以て敵を屈せしむる事をせじ」というもので、戦をもって正々堂々と決着をつけるつもりであり、塩不足を利用して相手をねじ伏せるようなことはしないという意味です。
これは戦国武将・上杉謙信が、敵将武田信玄の領国の甲斐(山梨県)が塩の不足に苦しんでいるのを知り、塩を送らせた故事に由来しています(デジタル大辞泉より抜粋・要約)。海に面していない甲斐に対して、今川氏と北条氏が策略し、塩を禁輸したため、それに対して、上杉謙信が救いの手を差し伸べたのです。
もっとも、無償で提供したのはなく、あくまでビジネスとして販売したのです。しかし、その時、謙信は適正価格を守って販売しました。美談となったのは、弱みに付け込んで高値で売りつけたのではなく、あくまでビジネスの正道を守ったからなのです。
これに関連して、エジプトの柔道家モハメド・ラシュワン選手が、1984のロサンゼルスオリンピック男子無差別の決勝戦で、日本の山下泰裕選手と対戦し、山下選手が負傷していた右足を積極的に攻めなかったことで惜しくも負けてしまうのですが、その年の国際フェアプレー賞を受賞しています。まさに、スポーツマンとしての正道を歩む姿が評価されたのです。
以前、『論語』の「君子仁を去りて、悪(いず)くにか名を成さん」をご案内しています。立派な人は、正道を捨ててまでして、名声を得ることはしないのです。人の弱みに付け込んで成果を得ても、まさに姑息な手段にしかなりません。ビジネスやスポーツだけでなく、人生においても、正道にこそ真の価値があることを肝に銘じておきましょう。
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