森羅万象から学ぶ人生羅針盤「お山の大将にならない」
2022.03.14
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「お山の大将にならない」
内閣総理大臣を務めた竹下登氏の有名な口癖に「汗は自分でかきましょう、手柄は人にあげましょう」があります。
これは、自分で上げた営業の数字を、こっそりと他のメンバーの実績にして恩を売るという意味ではありません。他人を尊重し、あらゆる場面において花を持たせることで、モチベーションアップが実現することを示しているのです。
これに関連して、松下電器産業(現パナソニック)創業者・松下幸之助氏の素晴らしい逸話があります。松下氏が会長室で、取引先を相手に新たな事業展開の構想を述べていた時、部下が新企画の説明に訪れたのです。しかし、そこで説明した内容は、松下氏がついさっきまで語ったものと酷似しており、それを聞いていた取引先は、その部下がたしなめられると思っていました。
ところが、松下氏は、自分と同じ考えであるという様子をおくびにも出さず、「素晴らしいアイデアだ。その考えでいこう」と賞賛し、その部下は大いに喜んだのです。しかし、もしそこで松下氏が、部下に対して「そんなことは、いま私も考えていたことだ。同じような話をされても意味は無い」などと否定したら、おそらく部下の喪失感は大きく、モチベーションは下がったと思います。
人の上に立つのであれば、お山の大将になってはいけません。無意味な自己顕示欲を発揮すれば、かえって逆効果になるものです。古代ローマ帝国の政治家セネカの言葉に、「おんどりは、自分の堆肥の上では王様である」があります。まさに、お山の大将は肥やしの上で威張っているおんどりと同じで、他人の目に滑稽に見えるだけでなく、人材活用に大きな支障を来たすことを肝に銘じておきましょう。
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