森羅万象から学ぶ人生羅針盤「運の強い人になる」
2022.03.21
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「運の強い人になる」
アサヒビール(現:アサヒグループホールディングス)の社長に就任し、同社の中興の祖と言われた樋口廣太郎氏は、部下に対して、「私は運が強い男だ。それを信じてついてきてくれ。いっしょに頑張ろう」と鼓舞したといいます。
これは、運というものの本質を理解している人に対しては、極めて説得力のある言葉です。なぜなら、運とは100%の偶然性で成り立っているものではなく、本人の正しい方向に向けた正しい努力によってもたらされるものだからです。
これに関連して、以前、花王の創業者・長瀬富郎氏の「運を得るには、いつも正しい道を歩んでいなければならない」という言葉をご案内しました。正しい行いをしている姿に対して、周囲の人が評価してくれ、なんとか協力してあげたいと手を差し伸べてくれるからです。
そして、樋口氏は、ライバル社のキリンビールとサッポロビールを訪れ、自社の悪い点を指摘してくれという離れ業をやってのけるのです。しかし、そうした捨て身の行動が、「この人は口だけではない。本当に中身がある」という信頼を呼び、それが運を巻き起こし、『アサヒスーパードライ』の大ヒットの実現につながったのです。
また、人に親切にするというのも、正しい行いでしょう。
ある大学教授が若いころ、自分の研修室の隣にいる壮年の教授に対して、常に親切に接していました。そしてある日、その教授が他の大学より、若く優秀な研究者を紹介してくれと依頼されたとき、「ならば、いつも親切にしてくれている隣の彼を紹介してあげよう」となったのです。
運の強い人とは、まさに正しく中身があり親切なのです。そういう人に出会ったら迷うことなくついて行きましょう。そして、自分自身も正しい努力を行い、真に運の強い人になってください。
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