森羅万象から学ぶ人生羅針盤「愛情のある言葉は人を救う」
2022.04.03
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「愛情のある言葉は人を救う」
『七人の侍』『用心棒』『椿三十郎』などの名作で知られる映画監督・黒澤明氏は、「ハッキリと言わなければ、かえって人を傷つけることもある」と述べています。また、少し前に、古代ローマの喜劇作家・詩人のプブリリウス・シルスも、著書『警句集』のなかで、「言下(げんか)にきっぱりと断るのは、大いに人助けになる」と言っていることをご案内しました。
欧米人は、自分の意見を言葉に出して明確に主張するため、議論や交渉にも慣れています。しかし、日本人は、「言わぬが花」「言わなくても分かる」という姿勢を美徳と捉える傾向があるのですが、それは人間関係が確立している親しい間柄において通用するコミュニケーションなのです。
仮に深い関係であっても、相手のためになることは適切に言わなければ、それが不利益につながることもあるので、積極的に言うべきなのです。
また、相手に不満があるのであれば、なおのこと言ったほうが良いのです。なぜなら、溜めておけば必ず怒りに発展し、それを爆発させてしまえば相手を傷つけることになるからです。
トラブルに遭っても、自然に解決されない場合は、言葉によって収束しなければなりません。そんな言葉には覚悟が現れます。上司に諫言する場合などは、腹を括る必要があり、その決意があれば間違いなく言葉に表れるものです。
そして、言葉には愛情をこめましょう。それがあってこそ言葉が生きるのです。愛情のある言葉は人を救い、愛情のない沈黙は人を傷つけることを忘れないでください。
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