森羅万象から学ぶ人生羅針盤「先延ばしせず先回りする」
2022.04.29
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「先延ばしせず先回りする」
17世紀スペインの神学者・哲学者であるバルタザール・グラシアンの言葉に「愚か者が先延ばしにすることを、賢者はただちに取りかかる」があります。
これは未来予測において極めて重要な姿勢であると言えましょう。例えば、構造不況やライバル社への対策を先延ばしにしていたばかりに手遅れとなり、倒産、廃業してしまった会社などは、全国で数え切れないほどあるのです。
もちろん、手をこまねいている経営者のみなさんを愚か者と言っているわけではありません。そんな失礼な意味ではなく、バルタザール・グラシアンの言葉は、大事なことを先延ばしにしただけで愚か者とみなされてしまうと指摘しているのです。
先見の明がある経営者は、常に生き残れる方策を見出し、スピード感を持って対策を実行しています。
例えば、大型店の出店だけでなく、テレビショッピングやネット通販なども大きな障壁になることを分析している商店主は、独自の流通チャネルを確立して「ここでしか手に入らない商品」を仕入れたり、移動販売や青空市場の開催など高齢者などの買い物難民対策をしたりして、早い時期から地域との絆をより深めることに成功しています。
以前、広告の鬼とされた電通の吉田秀雄氏が提唱した「鬼十則」をご案内しました。その中の1つに「仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものでない」があります。
まさに、仕事が受け身になってしまった時は、いわば「ゆでガエル」状態に陥っていると肝に銘じて、何事も「善は急げ」とばかりに、先延ばしせず先回りすることを実践してください。
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