森羅万象から学ぶ人生羅針盤「事業引き継ぎの好機を逃さない」
2022.05.19
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「事業引き継ぎの好機を逃さない」
明治時代の実業家で「別子銅山中興の祖」と言われ、第2代住友総理事を務めた伊庭貞剛氏の言葉に「人の仕事のうちで一番大切なことは、後継者を得ることと、その仕事を引き継がせる時期を選ぶことである」があります。
これは経営者の誰しもが思うことなのですが、往々にして後継者を得ることばかりに関心が向き過ぎてしまうようです。いくら優秀な後継者を得ても、仕事を引き継がせる時期を間違えれば、取り返しのつかないことにもなります。
まず、後継者の年齢です。20代から30代前半だと時期尚早かもしれません。また50代だと時を待たずして、その次の後継者探しをしなければならないでしょう。やはり30代後半から40代がベストです。経験、知力、体力がバランスよく充実し、脂がのっている働き盛りであるからです。そうした経験、実績の裏付けによって、なによりも「自分が後継者である」という確固たる覚悟がみなぎるのです。
次に、安定している経営状態の中でバトンタッチしましょう。新たに舵取りをするうえで、できるだけ余計な負担をかけないだけでなく、こうした変化においておこる社内の求心力低下を防ぐ意味でも、安定期に引き継がせることが大事なのです。
さらに、引継ぎ後に事業が軌道に乗るまでを、少なくとも3年以上見積もるようにします。新しいトップの意思は、社内やお客さまは言うに及ばず、金融機関をはじめ取引先すべてに納得してもらい協力体制を確立しなければならないからです。それにはやはり3年が必要となります。
イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは、「賢い者は、機会を見つける以上に、機会を多く創る」と述べています。機会を待つだけでなく積極的に創りあげることも大事であると認識し、好機を逃すことなく適切に事業を引き継がせてください。
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