森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自分を戒め清く美しくなる」
2022.05.26
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「自分を戒め清く美しくなる」
中国の唐末から五代に活躍した禅僧・雲門の言葉に「体露金風(たいろきんぷう)」があります。これは、雲門禅師が修行僧に「樹木が萎んで葉が落ちている状態をどのように思いますか」と聞かれ、「秋風(金風)に吹かれて、何もかもが露わになり、極めて清々しい状態である」と答えたことに由来しているのです。
ちなみに中国の五行説で示されている万物の5元素である「木火土金水」を季節に当てはめると、春が木、夏は火、土用が土、秋が金、冬が水に該当し、金風は秋風を表しているのです。つまり、体露金風とは、爽やかな秋風に吹かれて何も隠すことがなくなり、それでも決して恥ずかしいことなどなく、心身ともに一点の曇りもないくらいに清廉潔白であるとしているのです。
人間が隠すものの代表は嘘です。少しでも嘘があると絶対に「どこから見られても恥ずかしくない」という気持ちにはなれません。嘘という衣を纏い、さらにその嘘を別な嘘で隠そうとするので、嘘を重ね着し、嘘の着ぶくれになってしまうのです。
人を傷つけるような嘘だけでなく、自分を良く見せようとして見栄を張ったりホラを吹いたりすることも嘘の一つです。これらは自信の無さが原因で生まれた嘘です。
そんな自信を獲得するには、まず仕事で自分を磨くことです。小さな目標をクリアし積み上げることで達成感を得られて、さらなるチャレンジ精神が生まれ、自分の可能性を客観的に評価できるようになるのです。
そして自信がつけば、人はどんどん自分を戒めていくようになります。法的にも道義的にもコンプライアンスを守り、マナーや道徳、モラルを順守することに一切ストレスや苦痛を感じなくなります。そして、極めて身軽な状態で体露金風を感じ、心身ともに清く美しくなれることを肝に銘じておきましょう。
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