森羅万象から学ぶ人生羅針盤「心の中で初心を唱和する」
2022.06.12
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「心の中で初心を唱和する」
会社の朝礼で、社訓や企業理念を唱和することは今でもよくあります。それは、そこに示されている精神を、一時たりとも忘れることなく、常に胸に秘めて仕事に臨んでほしいからです。声に出し耳で聞くことで記憶力が高まり、その精神を社員に効果的に浸透させるためです。
それに加えて、初心を唱和することも有効です。なぜなら初心は、いつの間にか忘れられていることが多いからです。初心を忘れる最大の原因は、それ自体が往々にして大言壮語になりがちだからです。初めから継続することが難しいレベルであるか、もしくは面倒くさくなるのです。
また、初心は「基本の継続」に置き換えられます。そして、以前、野球でもゴルフでも、トッププロは、初心を忘れることなく、基本中の基本である素振りに、他の選手よりも少しでも多く取り組んでいることをご案内しています。レベルの高い人になればなるほど、初心を維持し、決して基本を疎かにしないのです。
しかし、初心はそれぞれに違うもので、それを朝礼の席で全員が唱和する時間はありませんので、心の中で唱和してください。拙著『昭和と平成を翔け抜け令和へ』でもご案内していますが、私も脳内出血を起こし闘病生活を送っているときに、お題目を自分の人生の初心中の初心と位置付け、懸命に「胸中唱題」しました。そうすることによって、自分の弱さを吹き飛ばしたのです。
どんなビジネスマンも初心を忘れたら軸足がブレてしまい、社訓や企業理念の精神を生かすことができなくなってしまいます。まず心の中で初心を唱和し、その上で社訓や企業理念の精神に臨むことを忘れないでください。
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